古代のカカオ酒を入れた壺

要素を とりあえず あげてゆく 感じで

...................

.

2007年 アメリカ・コーネル大学人類学教室のヘンダーソンらは メソアメリカ ホンジュラス北部のウルア渓谷の低地にある村で古代の壺を発見

その壺が作られたのは紀元前1100年頃と推定されたが 壺の中からテオブロミンとカフェインが検出された

.

テオブロミンとカフェインは カカオパルプとカカオ豆の両方に含まれているので 壷からみつかった成分がどちらに起因するのかは決定できない

ヘンダーソンらは その壷がカカオを発酵させた飲料の容器であるという仮説を立てている…根拠は首の長い容器の形

.

その時代よりも比較的新しい時代に作られた容器では 注ぎ口のある張り出した首のついた壷が見つかっており それはメソアメリカで飲まれていた

  カカオ豆やトウモロコシを磨砕して水と混ぜ

  高所から容器に落としたり

  激しく撹拌して泡立てた

カカオ飲料を入れた容器と思われる

.

ヘンダーソンらが発見した壺は泡を注ぐのには適していない

カカオパルプから作ったアルコール飲料を注いだものと推測された

さらに 後の時代でカカオ飲料に加えた蜂蜜や唐辛子(カプサイシン)がみつかっていないことも パルプ由来の発酵飲料という仮説を支持している

ヘンダーソンらの発見は 人類がカカオを最初に食したのは カカオ豆を用いて作るアルコールを含まない泡立てた飲料ではなく カカオパルプを発酵させた飲料であることを示している

佐藤清隆『チョコレートの科学』P8

.