『素粒子で地球を視る』より
5 素粒子で地球を観測する /5.1 ミュオグラフィによる野外観測
野外の観測では 検出器の 持ち運びやすさ 使いやすさ 安定などが重要課題
野外の厳しい環境下では,たとえばノートパソコンを持参してデータを吸い出す作業ですら,ユーザにとってはあまり現実的でない.システム自体にモニターを装備する,ウェブサーバーを組み入れなどの工夫が必要だ.
屋外観測では平板型のミュオグラフィ検出器を使用することが多い
これは,検出器を格納するプレハブの形が直方体であることから,理にかなったデザインだといえる.また,温度/湿度依存性が少ないシンチレーション検出器の方が,扱いが容易だ.
屋外の観測では システムにソーラーパネルを組み込むことが可能
これにより,商用電源によらない独立したシステムが構築できる.ソーラーパネルの最大出力とシステムの総電力消費量の比を安全因子と呼ぶが,安全因子は十分大きく取っておく必要がある.たとえば雨季には給電がまったく行われない機関が何日も続くことがあるからだ.また,ソーラーパネルの上に雪が積もると,発電ができない.積雪地域ではソーラーパネルを十分高く設置し,大きな斜度をつけ,雪が落ちる仕組みが必要である.
27夜~うちこみ 28 08:47:17 exciteサーバーに送付 (ほかの2箇所にも挿入)